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そんな管狐とネコを見ていた修哉。
突然現れた犬神のネコに驚きを隠せないが、利音達は何も気にしていないので、混乱している。
更に真尋が「ネコ、管狐食べちゃダメだからね」などと言うから、彼らの飼い犬なのは分かったが、ネコと呼んだことに、実は犬の姿をした猫なのかと余計に修哉を混乱させていることに真尋は気付かない。
そんな中利音と緋葉は巻物を読んで管狐について何か書いていないかと見ているが、妖の召喚のやり方は書いているが管狐については特に記載されていない。
「分かんねぇな………
おい管狐。お前憑いてんの?憑いてないの?」
利音が投げやりな感じで聞くが、涙目になっているだけで何も答えない。
人語が喋れないならどうにか意思疎通が取れないかと考えるが、どうしたものか。
「おい、首を縦か横に振るくらいできるだろ?
俺の問いに答えろ」
人語は喋れなくとも、言葉を理解するくらいは出来るだろうと、利音は詰め寄る。
「で、お前はこの人に憑いているのか?」
そう質問すると管狐は首を横に振った。
「………!?」
緋葉の言う通り、管狐は修哉に憑いていないと言う。
これが嘘である可能性もあるが、本当だとしたら何故なのか………?
理由を聞いても話せないなら分からないままだ。
どう言う風に質問すればいいかと考えている中、緋葉が修哉を指差してこう聞いた。
「管狐よ、この者が愛しいか?」
その質問は予想外の利音は、意味が分からなかった。
だって、ただ召喚されただけの妖が修哉を愛しいと思うわけが無いだろうと。
だが、その利音の予想に反して、管狐は首を縦に振った。
「意味が分からない………」
利音はそう呟いた。
するとそんな中で玄関がガチャリと開いた。
「おい修哉ー‼」
「あ、兄貴!?」
そこに現れた男性は真尋達をみて修哉にどちら様と聞く。
「あ、えっと、こ、骨董屋さん………?」
「骨董屋?
ああ、その巻物買い取って貰うってこと?」
利音が広げる巻物を見て男性はそう言った。
この男性は修哉の兄なのかと見ていたら、修哉が彼を紹介する。
「えっと、この人俺の従兄弟です。
その巻物を見つけた………」
そう、この男性は修哉の従兄弟で、この家の掃除をしていた時に巻物を見つけ、管狐を知らぬ間に召喚してしまった張本人である。
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