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突然現れた修哉の従兄弟で、管狐を召喚した張本人の男性。
彼は修哉から紹介された骨董屋だと言う真尋達に挨拶する。
その後に修哉にちょっとこっち来いと、廊下に連れ出した。
「おい、お前何今骨董屋呼んでんの?
仕事舐めんじゃねぇぞ」
「悪い………でも急いでて」
「はぁ?仕事より巻物売る方が先って何言ってんだ?
ふざけんのも大概にしろよ‼
折角人が雇ってやったってのによ‼」
仕事をクビになった修哉を自分が経営するレストランに雇った従兄弟の瑞稀だが、最近サボりがちな修哉の様子を見にこの家にやってきたらこれだ。
いくら実の弟のように思ってきた従兄弟と言えど、流石に堪忍袋の緒が切れる。
しかしながら修哉も精神的に限界が来ていた。
「兄貴は視えねぇから分かんねぇんだよ‼
大体、元はと言えば兄貴が」
「俺が何したってんだよ!?」
召喚してしまったのは瑞稀だ。
しかし視えないから何か起こったのかさえ分からないから仕方ない事なのだろうが、修哉はもどかしい気持ちでいっぱいだ。
「あの、お取り込み中の所すみません。
そろそろいいですか?」
彼らの言い争う声は利音達にも聞こえていた。
視えない人からしたら何してるんだとしかとしか思えないだろう。
利音達は視える者同士が傍にいるので妖について共有出来るが、修哉はそうではない。
だからこそ視えない者にどう伝えるかが課題になってくる。
利音は戻ってきた修哉に、取り敢えず管狐はこちらで連れ帰り処理しようと思うと伝え、巻物もこちらが所有すると伝える。
「あ、はい………
家に何もいなくなるならもう巻物はいらないッス」
元々は家に潜む何かを解決したいだけだったので、巻物はもう必要ない。
寧ろ手元に置いておきたくない。
すると話しの内容に違和感を覚えた瑞稀が、どういう事かと説明を求めた。
「いやだから………
この巻物を兄貴がなんかしたろ?
そのせいで俺は恐ろしい思いをしたんだよ」
瑞稀は修哉に霊感があることは知っていた。
知ってはいたが、戯言としか思って無かったので、まともに話しを聞いたことが無かった。
視えないので、その存在を信じる事が出来ないのだ。
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