保険医との秘密

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「夜野、食べれそうか?」 「…!」 「ん? 顔が赤いけど、熱が上がってきたか」 燐はテーブルにお粥を置くと、朱莉のオデコを触ると少し熱かった。 「じゃあ、先生宜しくお願いします」 「え? 紫音、何処行くの?」 「バイトだけど?」 「あっ… そうだったね」 「行ってきます」 「気をつけてね?」 「朱莉もな」 紫音が意味深な言葉を残して部屋から出ていくと、燐のヒヤッとした手が顔に伸びてきた。 「ひゃっ?! 冷たい」 「あ、悪い」 「先生、手冷たいんですね?」 「夜野が熱あるからそう感じるんだろう」 「お粥食べていいですか?」 「食欲はあるなら、まだいいか」 燐はフッと微笑むと、お粥を朱莉に食べさせてやろうとする。 「あ、あの?」 「ん? 食べないのか?」 「自分で食べれますから…その…」 「あ、そうだよな? 妹が居るからつい」 「妹さんが居るんですか?」 「あぁ」 燐は照れくさそうにそう告げると、朱莉はフッと可笑しそうに笑う。 「何か納得出来ました」 「な、何をだ?」 「先生が頭撫でるのが自然な所とかです」 「あぁ、嫌だったか?」 「いえ? 何だか安心出来ます」 「そうか… それより、早く食べないと食べさせるぞ!」 「ふふっ 食べますって」 朱莉はまたフッと可愛く微笑む為、燐はまたフイッと顔を反らした。 「ご馳走様でした」 「ほら、薬」 「…は、はい」 「ん? もしかして、薬苦手なのか」 「余り得意ではないだけです」 「ふぅん? なら、飲ませてやろうか?」 「え?」 燐はフッと微笑むと、朱莉の口に薬を入れると水を飲ませる。 「飲めたな」 「…!」 「どうした?」 「ビックリして飲み込んじゃいました」 朱莉がそう返す為、燐はフッと微笑むと頭をポンポン撫でていた。
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