雷鳴

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 ……という蓮見君評を聞いたことは一度や二度じゃないけれど、でも世の中ムカつく奴はたくさん居るし、皆にいい顔して生きるのは疲れるし、ある程度はしょうがないんじゃかなと思ってしまう。  誰だって嫌なものは嫌だけど、それを全部表に出すのは疲れるし、やり過ごした方が楽だから我慢してるだけのことだ。 「――――でさ、聞いてる?」  いや聞いてないよ、と言うのも面倒で適当に相槌を打ちながら、ちらりと横目に見ると蓮見君の姿はもうなかった。  ……そりゃ、これだけうるさかったら、当たり前か。  勝手に喋り続けるのを右から左に聞き流しながら、何かひどく寂しくなってもう一度溜息をついた。  構内の景色を彩っていた銀杏も散って、冷たい雨が降り始めた11月末。  卒論は締め切りまであと1か月を切り、懐かれてた後輩からはなぜか距離を置かれるようになった、そんな学生生活最後の冬の始まり。
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