告白

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「お邪魔します。相変わらず、綺麗に片付いてるね」 「今日は最初から分かってましたから」 「この前だって、十分片付いてたよ。あ、何か手伝うことある?」 「とりあえず手洗ってきてください。洗面所はそこ……って一度来たから分かりますね」 「お借りします」  こういう流れも、もし付き合うことになったらいつものことになって、緊張感も無くなって……と考えると、やっぱり不安だ。  今は気を遣ってくれてるから僕の気に障らないけれど、これがお互いに慣れあったらと思うと、今の距離のままの方がいい気もする。 「あ。ねえ、ケーキ開けてみた?」  洗面所から戻って来た彼女が言った。 「いえ、まだです。先にお湯沸かしてお茶と思って」 「そっか。ありがとう」   「いえ。……じゃあこれ、好きなの選んでください。あまり癖のなさそうなの選んでおきましたから」 「わ。たくさんある」  テーブルに無造作に出した紅茶やフレーバーティーのティーバッグを、彼女は眼をきらきらさせてひとつひとつ手に取る。 「お茶、好きなんだ」 「……まあ……」  落ち着くから、だけど。  用意している間は喜んで欲しくて夢中だったのが、いざとなると親の金で贅沢をしていると軽蔑されるんじゃないかと思ってしまう。
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