あとがき

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あとがき

 最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。  今回のあとがきはお話そのものというより、作者の個人的な話になります。  お話だけを楽しみたい読者さまはスルーください。  呟きにもちらっと書きましたが、私の娘は自閉スペクトラムの診断を受けております。  そして『面倒くさいひと』に始まった蓮見千尋の性格や個性については、食物に関する感覚過敏その他、娘の特性の一部をイメージした部分があります。  彼に発達障害や自閉という設定はありませんが、ただ、もしもそうだったとしても年代的には今ほど理解があった時代でないので、我儘な子、変わった子、と流されて終わっていた気がします。  今回どうしてこんなお話を書いたかといえば、私が娘に対して感じる苦しさやジレンマが夫婦の形になったらどうなるんだろう、どうしたら救いがあるんだろう、というところでした。  理解してあげたいけれどイラつくこともある、でも相手も悪意でしているわけではない、むしろ彼らなりに苦しんでいる、でも合わせるのはこちらばかり…となった時、親子やきょうだいには逃げ道はありませんが恋人や夫婦は別れる選択肢があります。 (ちなみに、同じテーマをきょうだいの視点で描いたのが『堕ちたのは吸血鬼課長の手のひらでした』になります)  最終的に『痣』まで書いて、答えが出たのかはわかりませんが、娘のような生き辛さを抱えた人たちに、また寄り添う努力をする人たちに少しでも救いがあってくれたらという思いが入った作品になった気がします。  最後までお読み下さり、あとがきまでお付き合いくださりありがとうございました。  千尋のお母さんのことなどまだ書きたいことはあるのですが、ひとまず完結して機会があればスター特典等にできたらと思います。 ※こちらは、あくまで娘の特性を通じた私個人の考えになります。同じ診断でも全く違う個性の人もいますし、違う考え方のご家族もいらっしゃると思います。発達障害・自閉スペクトラムの全てに当てはまるわけではありません。ご了承ください。
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