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唯一の趣味が車で、色々ドライブに行ったけれど、彼女はやはり窓の景色にも車にもはしゃぐ様子は見せたことがなかった。
車といっても、パジェロミニ。マニュアルだけど、要は軽自動車で、なんのステータスもない。
「パジェロミニのお客様―」
僕は頬杖をついて、ガソリンスタンド内の休憩所でぼんやりとしていた。
「お客様?」
「あっ、はい」
青い帽子を被った整備士のひとの声にも気づかずといった具合だ。
「タイヤ交換終わりました」
「すみません」
僕はのろのろと立ち上がり、レジで精算を済ませ、スタンド内に駐車されている車に乗り込んだ。
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