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雨の音がトタン屋根を叩く音がする。
一定のリズムを刻む音を聞きながら空を見上げた。
さきほどまでメッセージをやり取りしていた相手から返事が出来なくなったいた。
その相手とはメッセージと電話で話したことがあるだけで、実際に会ったことはない。
会ったことがなくても近くに感じることができた。それで満足していた。
私が好きですとメッセージで告白したところ、笑えること言うねと返された。
私の勇気を出した告白は相手にとって笑える出来事なのか。悲しくなった。
けれど私は、メッセージなどに費やした時間を無駄と思いたくないからか、酷いこと言うねと笑とつけ送った。
【事実だよ】と顔文字も何も付けずそれだけの文が来た。
私の中に溜まっていた何かが全て零れ落ちてゆく感覚が覆った。
その感覚に覆われてから動けずにいる。
やっと動き出したときには悲しみが込み上げ、雨に紛れて涙が流れる。
ちょうどいい雨だ。
今まで何かなくても暇~、何してるなどメッセージがきていたが、あれから来なくなった。
こちらから送っても返事はなし。
告白なんかなかったことにして楽しかったあの頃に帰りたい、戻りたい。
何日か経っても忘れることは出来なかったが、その思いがただの執着なのではと思い始めてからは一時的にでも想いに蓋をするようになった。
執着している間はさようなら出来ないけど、おやすみなさいは出来る。
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