青き鳥。散る。

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 スーツを身に纏いコーヒーを飲みながらテレビをつけると、朝のニュース番組ではメジャーリーグで活躍する日本人選手の輝かしい活躍が流れていた。  朝から嫌な物を見てしまったと思った。  得も言われぬ吐き気が襲ってきたのは、空腹にブラックコーヒーを流し込んだからというわけではないだろう。  十で神童、十五で才子、二十過ぎれば只の人。  頭の中にそんな言葉が浮かび上がり、ハハッと力なく笑いが漏れた。  自分と同い年の彼の功績が羨ましいわけでも嫉ましいわけでもなかった。  いや、まったくそう言った感情がないと言ったら嘘になるかもしれない。  それでも彼は結果を出すだけの努力を必ずしているということを知っているから、妬み嫉みは醜いだけなのだ。  私は別に野球少年だったわけではないので、彼と自分を並べて考えること自体がおかしいのかもしれない。  だけど少なくとも私は自分がしてきた努力を結果に結びつけることができなかった。  その事実がただただ悔しくて苦しくなるのだ。  しかしそのことを嘆いたって仕方がないことは長くはない人生の中でも理解しているつもりだった。  だからというわけじゃないが、まずは今の自分でもできることを探していこうと思うようになったのだった。  そうやって自分のできることを見つけていくことでしか自信はつかないのだ。
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