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守さんはスーパーゼネコンの筆頭に挙げられる『桐生建設・建設設計部』で働いていた。
『桐生建設・建設設計部』は業界でも有名。その上、背も高く、顔もまあまあのイケメン。
お義母さんから見れば、守さんは自慢の一人息子だった。
夫を早くに亡くし、母子家庭だった夫と姑。
二人の絆はとても深かった。
二人にとって…
私は高科家の跡取りを産む機械のような存在だった・・・
「しかし…腹切りでは…二年は子供産めないようだな…」
「緊急だったとは言え・・・どうして腹切りしちゃうのかしら…全く…私だって、守さんを産む時、小夜さんと同じぐらい陣痛で苦しんだだけど・・・ちゃんと下から産んだわよ…」
「俺も下から産ませろっと言ったんだぞ…緊急で執刀した医者が腹切りしたんだ・・・」
「・・・」
帝王切開の傷口が痛いけど、それ以上に心の傷が痛かった。
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