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この子は香里(カオリ)と命名した。
跡取りじゃない香里。
二人の関心は薄かった。守さんは香里を一度も抱っこしなかった。
私と香里は高科家で孤立して、そして守さんは浮気。
守さんの浮気を知った私は彼を問いただした。
彼はあっさりと浮気を認め、俺の相手をせず、香里の相手ばかりしていたお前が悪いと逆に責められ、彼女とは本気で結婚するつもりだから…私とは離婚すると言った。
一方的に離婚され、高科家を追い出された。
守さんと同じで母子家庭の私。
でも、私の母親は毒母で、守さんとの結婚を機に絶縁して、頼れなかった。
――――あれからもう四年近くになる…
一時は香里と二人で心中を考えたが、一人の男性に救われ、私と香里はこうして生きていた。
でも、いつまでも佑介さんのお世話にになるのは・・・
「じぃじ」
「元気そうだな…小夜ちゃん、香里ちゃん」
「じぃじもげんき?」
「元気だよ…はい・・・香里ちゃんにおみやげ」
「いつもすいません…佑介さん」
「いいんだよ…こうして…ふたりが生きているのを見ていると安心するよ…」
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