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私には以前から気になる男性が居た。
時々『若紫』に蕎麦を食べに来る若い人。
「あの…時任さん」
この店は大正時代から続く老舗の蕎麦屋で、近くに佑介さんが働く警視庁もあり、警視庁関係者が多く出入りしていた。
同じパートで働く時任さんに問いかけた。
「どうしたの?平子さん」
「…あそこのテーブルで食べてる男性…誰か分かりますか?」
「あ・・・伊集院警視総監のご子息の翔様よ…」
「!!?」
じゃ…私が気になってる男性は…佑介さんが言っていた次男坊の翔さん…
そう言えば…何処となく…佑介さんに似て精悍な顔立ちをしている。
おまけに長身だし・・・
「お茶のおかわり淹れてあげたら?」
「えっ?あ・・・」
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