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時任さんは私に冷たいお茶の入った急須を渡した。
私は緊張しながら、翔さんに近づいた。
「お茶のおかわりいかがですか?」
「んっ?あ・・・いただこうか・・・」
佑介さんに似て低く響く声。
私は彼のグラスのお茶を注ぐ。
「君…ずっと…此処で働いているよね・・・」
「え、あ…はい…」
彼は私の注いだお茶をグイッと飲んだ。
「…俺の名前は・・・」
「!!?ちょっと貴方!!?勘定!!」
『若紫』の女将・愛子さんが大声を上げる。
男性は勘定を払わず、逃げるように外に出た。
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