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「無銭飲食かよ…逃がさないぞ!!」
翔さんは腰を上げて、逃げた男性を追い駆けて店の外に出た。
「待てっ!!!」
私も店を飛び出す。
六月だと言うのに、汗ばむ陽気の中。
翔さんは直ぐに男性を捕まえた。
「俺は『新宿東署』の刑事だ…」
翔さんは男性に警察手帳を見せた。
「無銭飲食の現行犯で逮捕する…」
男性は早々に諦め、その場に座り込んで大人しくなった。
私が店を代表して、二人に近づく。
「本当に金は持ってないのか?」
男性は首を横に振った。
「仕方ないな…」
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