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伊集院邸。
「淳君。お爺ちゃんでちゅよ」
警視庁のトップとは思えない緩んだ顔。二人目の孫の淳(ジュン)君が誕生し、親父の馬鹿にも益々磨きがかかっていた。
「親父…」
俺は呆れながら親父を呼ぶ。
「何だ!?翔」
淳君を抱っこしながら俺の方を振り返った。
「赤ちゃんだからって…赤ちゃん言葉で喋り掛けるのは止めた方がいいぞ」
「じゅんちゃん、遊びにきたんでちゅか?」
今度は母さんが淳に赤ちゃん言葉で話し掛けて、親父から奪い去った。
二人の間に立つ淳君ママであり、義理の姉・美亜さんは右往左往していた。
「円お前…俺が抱っこしてたのに…」
「佑介が抱っこしたら、加齢臭が伝染するじゃない」
「人の気にしてるコトを…」
亨君は二人の怒鳴り声で泣き出す始末。
「円のキンキン声で泣き出したぞ」
「佑介の大声で泣いたのよ」
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