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私たちは長谷川家専属のシェフが用意したビュッフェ形式の料理を食べながら、お喋り。
子供たちは大広間の一角に作られた玩具部屋で遊んだ。
「・・・黒崎さんの奥さんの桜華さんとは久しぶりに会いますね…」
「そうね…平子さんとは二ヵ月振りに会いますね…お元気そうですね…」
黒崎さんの奥さんの桜華(オウカ)さんは事故で足が悪くなって車椅子生活。
二人の娘は私と同じ東亜医科大付属病院で帝王切開で出産。
担当医も同じ槇村先生だった。
「小夜さんは桜華さんとも知り合いなんだな…」
「まぁー…翔さんもですか?」
「ん、あ…まぁな」
「翔さんと平子さんはどういった関係ですか?」
「私たちは・・・」
桜華さんに訊かれ、私は隣に座る翔さんを見る。
異母兄妹だとは言えなかった。
「俺たちは・・・」
翔さんも説明に語尾を濁す。
「・・・実は平子さんのお母さんは親父の知り合いで…パパの居ない孫の香里ちゃんを不憫に思って…俺に期間限定の疑似パパになってくれと頼んできたんだ」
翔さんは皆にそう説明した。
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