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翔さんは部屋まで香里を運び、敷布団の上に起こさないようにそっと下した。
私はキッチンに立って彼にお茶を淹れた。
「お茶淹れたから、飲んでいって下さい」
「あ…サンキュー」
私と彼はソファに腰を下ろして熱いお茶を飲んだ。
「このお茶って…『若紫』の・・・」
「同じ銘柄のお茶っ葉です」
「君の部屋にもあるんだ…蕎麦が食べたくなるな」
「すいません…蕎麦はありません…」
「冗談だ…」
翔さんはお茶を一気に飲み干した。
「じゃ俺は帰ろうかな?」
「帰るんですか?」
「うん…」
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