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新宿歌舞伎町。
俺は現場に急行した。
不謹慎かもしれないが、久しぶりの事件に胸が躍っていた。
現場は歌舞伎町の中心にある十階建ての雑居ビル。
消防隊員たちの必死の消火活動の最中。
俺は紡さんと落ち合った。
「・・・遅いぞ!!」
「すいません」
「爆発現場はこのビルの三階にある飲食店だ…」
「怪我人は?」
「店内にいた従業員が病院に搬送され、治療中だ…」
「一名ですか?」
「まぁな・・・ビル内は飲食店よりもキャバクラやホストクラブと言った夜間営業する店が多かったのが幸いして、一名の怪我人で済んだ」
「・・・紡さんは歌舞伎町に居たのか?」
「・・・まぁな」
紡さんは曖昧に答えた。
決まってそんな時は歌舞伎町の主・御子柴組の若頭・御子柴壮と会っていた。
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