もう友達を、やめようか?

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 これまでコイツとは何度も喧嘩をしてきたし、もう絶対に口を聞くものかと決めた事なんか、それこそ数え切れないほどある。  だけどその度どちらからともなく仲直りの機会を探り、和解してきた。  なのに今日みたいに、何か揉めたワケでもないのにいきなり何の説明もなく、一方的に友達をやめようとか。  ......そんなのやっぱり、納得がいかない。 「それは、なんで?」  戸惑いながらも無理矢理笑顔を浮かべ、聞いた。  すると彼もまた困ったように笑い、答えた。 「うーん......理由を聞いたらきっと、紘平は悩むし困ると思うよ?  だってお前、優しいもん」  優しいなんていう言い方をするということは、彼に嫌われたワケではないようだ。  だけどそれにホッとするのと同時に、また少し困惑した。 「優しくなんか、ないけどな。  でも例え困るような答えだったとしても、こんなワケ分かんない状況で絶交されるより、よっぽど良いよ」  ほんの少しの感情の乱れも見逃すことがないように、じっと日向の瞳を覗き込む。  すると日向はフッと小さく笑い、告げた。 「好きなんだよ、紘平の事が。  友達としてなんかじゃなく、恋愛対象として」  普通ならば同性にそんな風に言われたって、不快だとしか感じられなかったと思う。  なのにその言葉に驚きはしたものの、次の瞬間、思ってしまったんだ。  ......嬉しいって。  でも一方的に関係を切ろうとされたのにはやっぱり腹が立ったから、彼の顔を睨み付けた。  日向の色素の薄い、飴色の瞳が戸惑ったように揺れる。
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