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兄貴たちは来年の5月に挙式するんだけど、そろそろ半年前になるから準備を始めていて、その関係で今回実家に戻ったりもするんだろう。だって去年の兄貴は、年末の休みに東京に戻ってたくせに若ちゃんの部屋にこもって、俺やお母さんには直接連絡してこなかったんだから。
弟の俺が兄貴と顔を合わせたのは、健太さんちのクリスマスパーティーでの数時間のみというよくわからない状況だった。
まぁ、でも今となってはそれもすごくよくわかる。
俺でも、実家じゃなくて結花のところに行くな。
そうそう、この間健太さんから、『慎太郎には内緒で』って言われて、昔のアルバムを自宅から持ち出した。もちろんお母さんには許可を取ったけど。
かさばるし重いから、準備するのだって大変だし、郵送したらとんでもない値段になっちゃうから、お母さんに手間をかけさせるよりも俺が実家まで取りに行って、健太さんのところまで運んだ方がいいだろうってことになったんだ。
お母さんが若ちゃんのお母さんに頼んでくれたから、若ちゃんちのアルバムも一緒に届けておいた。
最初は紙袋に入れて持っていくつもりだったんだけど、お母さんたちが『あれも』『これも』って付箋まで付けたアルバムをどかどか俺に渡してくるもんだから、最後は小さめのスーツケースに詰め込んでゴロゴロ転がしていく羽目になっちゃった。
いくら送料がかからないからと言って、これを運ぶ俺の苦労もちょっと考えてくれるとよかったんだけど。
健太さんも受け取るときに笑ってた。
でも、お母さんたちも嬉しいんだろうな。
健太さんも平日は忙しいから、休みのたびにちょっとずつ準備するんだって。
きっと、スライドショーみたいなのを作ってくれるつもりなんだろう。
兄貴も若ちゃんも知らないから、当日はきっと喜んでくれるんじゃないかな。
そうやって、兄貴たちの結婚を心待ちにしてくれている人は、健太さんたちだけじゃないんだろう。
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