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健太さんのときは、休みの日に数時間参加するくらいだったから、簡単に許可してもらえたけど…俺も一緒に泊まりとなるとな。
どうだろう。
俺は多分、二泊になるのかな。式とパーティは同日じゃないと言ってたから。
結花にはあとから来てもらうことになるか、その辺も相談しておかないと。
前に健太さんから、婚約者時代の祥子さんを自分のお兄さんの結婚式に連れて行ったって聞いたことはあった。でも、俺たちはまだ学生同士で…将来のことなんて何一つ決められないのに。
俺もちょっと心配していると、若ちゃんが言ってくれた。
「結花ちゃんは、私たちの友人の一人なのよ。祥子たちと同じで、堅苦しい披露宴ではないし、私たちの友人として招待するから、きっと大丈夫」って。
確かに、若ちゃんから連絡してもらったら、一発でOKがもらえそうだ。
長瀬の両親は、兄貴のことを信頼してくれてるのもあるし。
隣に座ってる兄貴からは、女子に聞こえない声で付け足された。
「お前らは当然別部屋だけどな」
…さすがにわかってます。
仮に一緒にしてもらったとしたって、壁の向こうに自分の家族がいる状態でなんて、俺も手は出せません。
まだ先のことではあるけれど、楽しみな予定が一つ増えた。
一時間くらいでゆっくり食事をして、本当に久々に深刻な話し合いではない会話を兄貴たちと楽しんだ。
言われた通りたらふく食って、もうチェックインしてあるという兄貴たちに手を振って、俺たちはおとなしくまっすぐ宿舎に戻る。
…あれ、身体が重くなるほどは食べないようにする予定だったのに、楽しかったのとうまかったので、食べ過ぎてるな。
落ち着いたらちょっと、本当に夜のうちに走ろうかな。
帰りは意識的に、結花との距離を普段より若干遠くとりながら、手もつながずに歩いた。多分結花も、同じことを思ってるんだろう。
ちょっとイレギュラーだったけど、俺たちは今恋人同士としてここにいるんじゃないから。
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