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「もしかして私、夢遊病になってしまったんでしょうか? 寝ている間に一人でこの場所までやってきたとか」
「まさか。今まで授業中にだってそんな事なかったじゃないか。それとも今になって突然夢遊病が発症したとでも?」
「それは……」
とりあえず人目に付く前に部室に入ると、一条さんがおずおずと切り出してきた。
「あの、香坂くん。お願いがあるんです。私、もしかするとまたさっきみたいな事をしてしまうかも。自分でもどうして廊下で寝てたのか記憶が無いし」
「夢遊病の事か?」
「はい。だから私が本当に夢遊病なのかどうか確かめてもらえませんか? あ、もちろん特別な事はしなくて大丈夫です。ただ、私が部活動中に妙な行動を取らないか時々見て欲しくて……」
「それくらいなら構わないが」
「ありがとうございます! それではさっそくよろしくお願いしますね!」
言うなり一条さんは毛布を床に広げて、入眠の準備を始める。
そんなに夢遊病が心配なら、学校内で眠らなければいいのに……。
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