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「お前の未来の嫁を探すついでに、知り合いを訪ねにあの子ん村に行ったとき」 逆じゃないだろうか。 「知り合いの家の庭で茶飲んどったら、隣の家から皿とか割れる音と叫び声が聞こえてな。何じゃ何じゃと思って飛び出てみたら、アルマが頬っぺたに手当てて地面にうずくまっとったんよ。後ろではその子の父親がずっと怒鳴り散らしとった。この売女が、淫乱がーってな。」 結婚式のときに特に愛想の悪かったあの父親か。 「さすがに女の子が殴られてるのに止めん理由がなかろ?父親押さえつけて話を聞いてみたら、まぁあの子がこっそり恋人と最後までヤっちゃった事が、親父にも、嫁ぐ予定の家にもばれて白紙になっちまったらしい。金持ちとの縁ができれば自分の商売が楽になると思っとった父親は、それで大激怒しとったんだと。」 気持ちはわかるけどのぉ、親のすることじゃないわな。と親父はいったんため息をつく。
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