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「嫁に行かんのなら娼家に売ってやるとか罵倒しとったから、じゃあこれくらい結納金払うからうちの息子にくれんかのってもらってきたんじゃ。」 「そんな子猫譲ってもらうみたいに……。」 「娼家より楽しい我が家じゃろ?」 上手いこと言ったと言いたげな表情を浮かべている。俺の父親だけど癪に障る顔だ。 でも確かに、「嫁さんが見つかったぞ」と言われてから式をあげるまでの時間が通常より早かった。 「婿がブサイクだとバレる前に先手を打つんじゃ!」とか言っていたが、もしかすると親父なりのアルマへの気遣いだったのしれない。
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