【短編】傷の残しかた

２

「十三も離れてたらどう接すれば分からん」
別日に俺は幼馴染二人へ愚痴をこぼした。
「可愛い子ならそんくらい我慢すりゃーえかろ？大体、何でお前みたいな熊男にあんな美少女が嫁いでくるんよ。うちの母ちゃんと取り替えてくれや。おっぱいなら出るぞ？」
下品な笑い声にイラつきを覚えつつ、俺は内容を選びつつ悩みをそのまま打ち明ける。
「ほとんど目も合わないし、露骨に避けられてる気がするんよ。」
「恥ずかしいんじゃろ、俺んとこの女房も最初はそんなんだったわ。」
「そんな感じじゃねぇんよな…。」
「お前んところ母ちゃん気強いし、怖くて縮こまっとるんちゃうん？俺も昔ゲンコツでぶたれたもん。」
それはうちの鶏を殺して食ったこいつが悪い。しかもお詫びの品ももらっていないままだ。
幼馴染の自業自得はともかく、俺の母親は手が出るのが早い。流石にアルマには手を出してないと信じたいが今夜あたりに一応聞いておこう。