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その父の残した絵を見て、今やりたいことが見つからないからと急ぐ必要はないのだと思える。生涯かけて生涯愛せるものを見つければいい。もし愛せるものが一日しかできなくても、その一日を最高にやり遂げればいい。父は生涯の僅かな期間に作り上げたものを生涯通して愛して、残した。
きっとこれは父の言葉のない遺言だ。父にそんな思惑はなかったかも知れないが、私には響きすぎる。やりたいことというのは意外に近くにあって見守っているのかも知れない。いつか気付いてくれるのだと信じて。
この父の描いた絵のように。
了
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