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―――正午。
ようやく書類整理と複数の面会を終えたスクヴィラは両腕を伸ばし、残りの自由を獲得した。正確には、執事モドキ《ボルドー》が別地区の催事で、席を外したため、あれこれ物言う者がいなくなっただけだが、彼女にとってはそれが終わりの合図だと勝手に判断している。
「さて、これからどうしてやろうか」
顎に指を置き、年相応の含んだ笑みを作る。そして、こんな立場を押し付けた真の張本人の所で、どんな無理難題をふっかけてやろうかと模索し、あれも良い、これも良いと考える内に、その笑みは魔王に相応しい表情へと変わっていく。
「あぁ、そうだ。あれが良いだろう」
ついに1つに絞り決めた彼女は、指を鳴らして部屋の外に待機していたバステト族のメイドを呼び出した。
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