殺意と好意

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結局、ここは船上で、私は見事に誘拐されました。 「…………」 「無口だね。さっきまで大暴れしていたのに。」 「当たり前だ。誘拐されるのに抵抗しない人がどこにいるんだ!!」 「誘拐じゃないよ。一緒に来てほしいと申しでて、それに君は付いて来ただけ。」 さすが、非道王の息子。話が通じないわ。 「わ…俺を連れて行ってどうするんですか?友達なんて、俺を連れて行かなくてもいるでしょう。」 「…」 ん?これは…いないの?そんなわけ無いよね。ううん、そうなのかもしれない。 禁句なのかもしれない。これからは言葉にも注意しないと…。 それから、一番の大問題は…私が女だという事を知られてはいけないのよ。 「死の口づけ」あれは異性だった場合の適用なのかは解らないけれど、死ぬ確率が50パーセントを軽く超えるわ。 友達だなて嘘をついて、何をしたいの?私だけ連れて行っても何も変わらないのに。 本当に友達が欲しいとか? ただの寂しがりじゃない。そんな事で連れて行かれるの?…いや、その方がいいよね。仲良くなれば帰らせてくれる可能性もあるもの。 だとしても、ニニハハに出航する船はあるの?軍船くらいなの? 仲良くなったって、絶対帰れないよね。 まだ島が見える間に何とかしないと、本当に帰る事が出来なくなる。 「父と母に何も言わずに出て来てしまったので、さよならを言うために島に一度返して下さい。」 少なくとも、どこへ行くかだけは伝えないと!!
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