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敵国の王太子
『ナル・ニニハハを3日以内に殺す』
そんな脅迫状が届いたのは今日の朝。
男装して3日をやり過ごせばいい…はずだったのに…。
その日の夕刻に、怖い男につかまりました。
・・・・
「俺はレギラ・ルモント、君は?」
爽やかに笑う男の言葉に、サーっと血の気がひいた。
「ルカ・ロイアと申します。今日都にやってきたばかりの、右も左もわからない田舎者です。どうして俺を捕まえたのですか?」
「ん?お友達になりたいな…と思って。」
「…ははは、そうですか。」
殺される、殺されるわ。
ルカ・ロイア…偽名です。
私の本当の名はナル・ニニハハ
このニニハハ島の姫です。
敵対してる大陸と島国、その王子と姫よ。
そして私は今、その王子に捕まっているの!
「お友達になると言っても、俺は人見知りでして…」
今の私は男装しているからいいものの、女だなんてばれたら絶対に駄目よ!!『ナル』だと気付かれてしまえば殺される!
「顔が青いから、少し休んでいくといい。」
ごめん被る!!
「…人の家では余り休めませんので、俺は家に帰ります。」
早く屋敷に帰って、レギラがいるって言わなきゃ!!
「心配だから送っていくよ。」
ふざけないでよ…敵対してる島に堂々と乗り込んでくる王太子がどこにいるのよ!
「俺の家はここから少し遠いので…」
「馬で送る」
「こんなに綺麗な馬が通るような場所ではありませんので…」
「馬の良し悪しは関係ない。」
「と、とりあえず!俺は1人で帰れますので、失礼します!!」
「まって!」
手をグイっと掴まれ何をされるかと思えば、軽く口付けされた。
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