歌に載せるは我が戀ぞ。

1.誕生

昔々、源平のかの戦よりもさらに昔。時の権力者は藤原氏。その全盛期と言える時代。
平安時代。
都が京にあった頃の事である。

その頃京都では、珍しい夫婦がいた。
この時代では一夫多妻が普通の時代。女が、嫉妬に苦しんだ時代。一方、男性は妻が多い事で、後ろ盾があり財力や権力があることを示してきた時代。それなのに、妻を1人しか娶らず。生涯を共にし、幸せに暮らした夫婦が居ったそうな。

これは、そんな夫婦ができる元になったお話。
言ってみれば、その夫婦の馴れ初めである。

では、その夫婦が出会う前、生まれた時から語っていこう。