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職場を去れば、
もう、プライベート。
住居扉の鍵穴に彼が鍵を差し込む。
俺の理性は施錠される。
彼の脇の下から腕を差し入れて、
俺は後ろから彼を抱き締める。
扉が開いて、玄関マットにふたりで倒れこむ。
「か、かずっ、一輝さんっ」
「日ケ原、靴ぐらい
脱がせろっ」
「一輝さんっ、
ついでに服も脱ごっ」
「おいっ、玄関先だぞっ」
雨に濡れた身体で濡れてる彼を
背後からぎゅううううっと…
しながら、彼のベルトの金具を
外す。
「日ケ原、せめて風呂入ろうか」
だったらなおさら服を脱がないと…
彼のボトムに手をかけて
ひきおろす。
「いったん、やめえっ!」
と、頬を平手打ちされる。
「あ♡」軽く快感。
「ああっ、もうっ、日ケ原っ」
玄関から部屋に通ずる廊下で
ドタン、バタンやっていると、
横の引戸がカラララと開いた!
「カズキィ~」
うあああああっ!なんだよっ
「ひ、人が悪いなっ、
ど、同居人がいるならいると
先に…」
「ケースケ…」
「オカエリ~、メシ~」
尻尾をブンブン振ってて
機嫌が悪い黒猫だ。
「ダレ、コイツ」
「部下です」
「しゃ、しゃべってる…し
…しおちゃんかよっ」
「まさか、気のせい。
んーっ、ケースケ~、
ただいま~」
ふたり(?)は お互いすりすりして、チュッとキスを交わす。
「はい、ドライとウエット、
お水ね」
半袖Tシャツとトランクス姿で、
猫の食事の世話をするチーフ。
大変だなあ…帰ってからも猫を
アテンドするのか。
やたら目つきが鋭いし、名前から
してオスだろう。
とりあえず、挨拶はしておいた
方がいいか…
「どもっ、おじゃましてまーす」
なんか、おもっきしニラまれた
気がする…
「ケースケは人間でいうと
25歳位…」
ふむ。しかし、そうと分かれば
つづきを…
彼のトランクスを俺は手慣れた
感じで引き降ろす。
「ちょっ、ちょっと待てって!
落ち着けっ。僕には…奥に…
帰ったら挨拶したい
男(ひと) がいる」
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