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「正直、びっくりした。今まで読んだ小説とは違う。今までにない新しい感じの内容だったから。これは褒めてるんだよ。だから、本当に素晴らしいと思ったんだ。」
アルフは少々、動揺しながらもエリサの顔を真剣に見つめていた。エリサもアルフに目配せしながら、照れたような表情でニヤリと微笑み返した。
「アルフ、ありがとう。初めて自分の小説を人に読んでもらったけれど、その初めてがアルフで良かったって本当に思ってる。」
エリサは少し俯き加減になりながら、口を手で覆うようにして何回か咳き込んだ。
「エリサ、大丈夫か?今日は少し無理をさせてしまったのかもしれないね。小説はまた次回までのお楽しみにして、今はゆっくり休んで。」
咳が治まった所で苦しそうな口調でエリサはゆっくり話始めた。
「ごめんね。こんなはずじゃなかったのに、何故か咳が出てしまって。もうすぐ採血の時間だから、それまではゆっくり休むね。」
アルフは病室に用意してあるミネラルウォーターを持ってきて、グラスに注ぎエリサに差し出した。
「うん。それがいちばん良いと思う。今日は小説を読んでくれてありがとうね。また続きを楽しみにしてるよ。」
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