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「小説の方は進んでる?」
前回の読み聞かせでエリサは体調を崩してしまった。その事があったので、続きを聞かせて。の一言がどうしても言えなかった。
「うん。あれから少しずつだけど書き進めてるよ」
ふとカレンダーを見ると読み聞かせをしてから、1週間が過ぎていたことにエリサが気づいた。
「あ、そう言えばあれから1週間経つんだね。今の今まで気づかなかった。ごめん」
エリサはアルフの言った一言に少し疑問を抱き、カレンダーに目をやり確認作業をしたのだった。
「全然良いんだよ。僕が気を遣ったせいで、逆にエリサに気を遣われてしまって…。こちらの方こそ悪かった。」
お互いに気を遣って、遣われて、それは2人の間で日常茶飯事だった。こんなやり取りが2人の生き方なのだ。
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