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「うん、こんな天気は久しぶりだね。ここ最近はずっと崩れてたからね。エリサ、今日の調子はどう?」
そんな事を話しながら、病室の机に置いてある、綺麗な花の水をいつものように入れ替え始めた。
飾ってある花は赤いバラ。それはアルフがエリサの為に買ってきたお花だった。
バレンタインのお返しにと、ホワイトデーの日にもらった花なので、エリサのお気に入り。
しかし花の寿命は短い。綺麗なものの命はなぜこんなにも儚いのか。エリサはいつも疑問に思っていた。
「天気が良いからかな。調子はいつもよりいいかも。気分が上がる感じ。」
エリサはそう言いながら、ニコっと満面の笑みでほほ笑んだ。
「今日も例の小説の続きを書いてるのかい?」
そう言いながらアルフの目線の先にあったのは、エリサの手元に置いてある一冊のノートと左手に持っていた万年筆。
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