1.始まりの朝。

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「うん。今日も書いてた。でもここ最近はちょっと筆が止まっちゃってね。今の状態からなかなか先に進めないの」 エリサはやや(うつむ)き加減で、深いため息をついていた。 そう、ここ数ヶ月のエリサの体調はイマイチ優れていなかったのだ。 毎日「嫌」と言うほどの検査漬けの中で、医師にも「あまり無理はしないように」と言われたばかりだった。 「誰にだってスランプはあるよね。エリサはさぁ、人一倍考え過ぎるところあるから。たまにはおやすみの日を作ってもいいんじゃない?」 アルフはいつもエリサのことを案じていた。ふたりはいつも一緒だった。 雨の日も風の日も。小さい頃からの腐れ縁で、いまでも双子のような関係。お互いがお互いを案じて生きている。 「ありがとう。でも今日はお天道様が元気を下さったから、ちょっとは筆が進みそうな気がするんだ。だから少し書いてみようと思ってる」
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