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しばらくするとハーブティーが出来上がった。いつもの様にポットからエリサのお気に入りのティーカップへと注ぎ入れる。
「はい、今日のハーブティーどうぞ。」
「わぁ!ありがとう。今日はどんなブレンドかしら?楽しみだわぁ」
エリサはティーカップから立つ湯気の匂いを嗅ぎながら、笑みがこぼれていた。
「飲んでからのお楽しみ。はちみつを少し入れたから、飲みやすくはなってると思うよ。」
それからしばらくしてエリサはティーカップに口をつける。
「美味しいわ!なんだろう…。レモンの爽やかな香りがするわね?」
「正解!レモングラスは入ってるよ。後はパッションフラワーとローズをブレンドしてるんだ。このブレンドは不安や緊張を解きほぐして、よく眠れるハーブティーなんだよ。」
「えー!何だか嬉しいわ。不安で眠れない時があるから、今の私にぴったりね。」
アルフは近くにあったイスに腰掛けながら、自分のポケットに手を突っ込み何かを取り出した。それは白い封筒のようなものだった。
「はい、これ。エリサにあげる。」
そう言ってベッドに座ったままのエリサの膝にちょこんと置いた。
「これって、手紙?アルフが私に?」
エリサは不思議そうな顔をしてキョトンとしていた。
「うん、びっくりされてごめんね。何だか急にね、エリサに手紙を書きたくなって。それで今の気持ちを認めてみました。」
アルフがエリサに手紙を書いたのはこれが初めての事だった。だからエリサはびっくりしていたのだ。
「えっ、何だかびっくりしたよ。でも嬉しい。何が書いてあるのかなぁ。手紙ってさ、特別な感じがするよね。だから大事なことが書いてあるのかなって思っちゃった。」
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