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その1時間後、突然のリモート会議に出席する事となったサージはやや緊張した面持ちでパソコンの前で待機していた。
その数分後、パソコンの画面に現れたのは1人の女性…いや男性の姿をした綺麗な人だった。
女性と見間違えたのは髪型だ。黒いセミロングヘアで肩の少し下くらいまであるストレートヘア。キューティクルがしっかり見えて艶やかな髪質をしている。
「こんにちは。初めまして。私はシリウス星に住んでいるシルビアと言います。貴方がサージですね。話はマージから聞いていますよ。」
話し声はとても穏やかでやや高音。癒され系のボイスである。
「は、は、初めまして。地球人のサージと申します。きょ、きょ、今日はよろしくお願いします。」
サージは挙動不審になっていた。無理もない。マージとの会話があってから息付く暇もなく、この会議に参加したのだから。
「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ。私は貴方に会う前から、リーディングさせて頂いていましたから。例えばいま貴方の目の前にあるテーブル。テーブルは万物からの贈り物。そのテーブルが目の役割をしていて、テーブルを通して貴方を見ていると言うイメージです。」
シルビアは淡々と喋っていく。そのおかげで内容は不思議な事だらけなのに、自然と耳を傾けられた。
「えっ!テーブルを通して?そんな事が出来るんですね。でも何だか分かる気がします。私の母方の祖父は元々千里眼の能力を使って仕事をしていたらしく、小さい頃から視える人の事を普通に思ってました。」
先程までは緊張しか感じられなかったサージだったが、シルビアの冷静な話し方のおかげか落ち着いて返事をする事が出来ていた。
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