13.ここで一息...。

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「ねぇアルフ、このまま続きを読んでも良いと思うんだけど、でもね、ここから先は何か自分の中でも重要なメッセージがある気がして…。だからね…」 エリサはいつもと違う神妙な面持ちで話始めていた。そして言葉に詰まらせたように、話を途切らせてしまった。 しばらくの時が流れて、アルフが相槌を打つようにこう返した。 「うん。重要なメッセージかぁ。確かにね、何か雰囲気的に今までと違う感じがしたし、なんとなくだけど分かるよ。その気持ち。」 アルフもアルフで小説の中での展開を聞いている内に、普通の流れとは違う何かがあることに気づき始めていた。 「うん。だからね、今回はここまでにして、また次回の新月の日に読み聞かせして欲しいなぁって思って。」 エリサは新月の日にこだわっていた。月の満ち欠けがエリサの背中を押すように、そっと見守っていてくれる気がしているからだろう。 「もちろん!そこはエリサの意見に同意するよ。むしろ少しづつ小出しにした方がワクワクした気持ちが持続するし、日々の楽しみが増えるじゃない?」 アルフはお得意のニコっとした笑顔でエリサの方に笑顔を見せた。 「ありがとう、アルフ。じゃあ次回の読み聞かせもよろしくね。それまでに小説の続きも少しづつ進めておくからね。」 「うん!楽しみにしてる。今はエリサが書く小説の物語だけが楽しみだから。」
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