13.ここで一息...。

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それから満月の日までには日にちを要さなかった。その数日間のアルフの心はどうだったのか? ワクワクする気持ちはもちろんある。けれどちょっとした緊張感も一緒に存在してる。複雑な心境であった。 それを言い換えるならば、「エリサの書いた物語だから単純に気になる」という気持ちともう一方では「エリサの夢の中で起こっているメッセージ的な何かを知るのが恐い」という2つ目の気持ちだ。 だから今までのように単純な気持ちには到底なれなかった。エリサの夢からこれから起こりうる重要なメッセージの中に隠されたものは何なのか。今のアルフには知るよしもない。何か途方もなく、とてつもないものを伝えようとしているのではないかと。 そしていつものようにエリサの体力が気になっていた。日を追うごとに弱っていく姿を見て、そう思わざるを得ない状況だった。 もしかするとその夢のメッセージを小説に書くことやメッセージとして伝える事が負担になっているのではないかと。 もちろん小説の続きは読みたい。そう思う反面でエリサの身を案じるアルフの姿があった。 満月の日までの数日間は長いようで短い、そのような複雑な時を刻んでいたのだ。
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