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二人の出会いは今から遡って20年前の春のことである。
エリサがまだ5歳だった頃、養護施設に新しい仲間がひとり増えた。それがアルフだった。
二人は同級生という事もあり程なくして打ち解け合い、全てを語れるような仲になっていったのだ。
二人は自分の両親の存在を知らないで育った。同じ境遇でずっと一緒に日々を過ごしてきたのだ。
しかし永遠に養護施設に居る訳にはいかなかった。何れは皆、旅立たねばならない。
原則18歳までは居られるが、もし里親が見つからない場合は自立するしかない。
子供の頃から障害を背負っていたエリサにとって、何れは病院という閉鎖された空間に行かなければならないという事を幼いながらも感じていたのだ。
一方アルフは何の問題もなくスクスクと育っていった。元々綺麗な顔立ちだったので、里親募集とも為れば、何十人もの候補者が現れた。
しかしなかなかアルフの思うような、里親には恵まれなかった。もちろん最終的には本人の意志が無ければ、養子には行けないのだ。
アルフはエリサの事を想って行かなかったのか、それとも本当に良い人に巡り会えなかっただけなのか。
それは本人しか知らない。
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