アランの作戦2

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 キーン、カンカンカン。剣が激しくぶつかる音が響き渡る。 (ああ、剣を振るうのは久しぶりだ。楽しい!)  アランは楽しみながら対戦していたが、ジェームズ中将にはそんな余裕は全くなかった。 (なんで三週間も鍛錬してないのに、殿下は前よりも強くなってるんだ……。)  規格外の強さに、すっかり圧倒されてしまった。そして、ついに彼の喉元にアランの剣が突きつけられた。 「……まいりました。」  ジェームズ中将は悔しそうに頭を下げる。 「いや、かなり腕を上げたね。前回よりも対戦時間が長かった。」  アランが褒めてくれるが、ちっとも嬉しくない。 (それでも殿下には到底及ばないのが悔しい。いつかは必ず……!)  さらに剣術に打ち込むことを決意したジェームズ中将であった。 「ところでジェームズ中将。どういう人が皇太子に望まれるのだろうか?」  アランの突然の問いかけに、彼は面食らったが、言葉を選びながら答える。 「ええと……。国民のためを思い、謙虚に誠実に行動なさる方ではないでしょうか?」 「そうか。逆に、どういう人が皇太子に望まれないと思う?」 「日々遊び歩いておられる方とかではないでしょうか……? 皇帝陛下の業務が膨大なのは、皆知っておりますし……。そのような方に皇帝は任せられないと、国民は考えると思います。」  それを聞いたアランは、良いことを聞いたとばかりにニヤリと笑った。
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