アランの作戦2

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 その日の夜。 「殿下!!! いけません!!! 一人でクラブへ行くだなんて!!」 「何がいけない? 僕より強い人なんかいないんだから、護衛なんて不要だろう?」  遊び人のイメージをつけようと、クラブへ繰り出そうとするアランを、侍従が必死で止めている。 「それはそうですが……! そもそも、クラブなんていかがわしい場所に、行くべきではありません! 皇太子候補としての自覚を持って下さいませ! 前も居酒屋で大変な事になったじゃないですか!」 「大丈夫大丈夫、今度は暴れないから。それじゃ、いってくる。日が昇るまでには帰ってくるよ。」 「殿下!!!」  侍従の制止を振り切って、アランは颯爽と出かけてしまった。 (遊び人のイメージをつけるためには、アホみたいにお金を落とした方がいいだろうな。)  そう考えたアランは、目についた店の中で一番高級そうな店に入った。 「いらっしゃいませ……ってアラン殿下!?」  出迎えた従業員が目を剥く。 「ああ、そうだ。さっさと案内してくれ。そして、席には出来る限り多くの女の子をつけろ。」 「は、はい!!!」  半ばパニックになりながらも、従業員は席を用意してくれた。そして、程なくして、粒ぞろいの美女達が十人ほど、アランの席へ派遣された。 (さあ、ここからが僕の腕の見せ所だ!!僕は遊び人になる!!!)  アランは密かに気合いを入れた。
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