134人が本棚に入れています
本棚に追加
その日の夜。
「殿下!!! いけません!!! 一人でクラブへ行くだなんて!!」
「何がいけない? 僕より強い人なんかいないんだから、護衛なんて不要だろう?」
遊び人のイメージをつけようと、クラブへ繰り出そうとするアランを、侍従が必死で止めている。
「それはそうですが……! そもそも、クラブなんていかがわしい場所に、行くべきではありません! 皇太子候補としての自覚を持って下さいませ! 前も居酒屋で大変な事になったじゃないですか!」
「大丈夫大丈夫、今度は暴れないから。それじゃ、いってくる。日が昇るまでには帰ってくるよ。」
「殿下!!!」
侍従の制止を振り切って、アランは颯爽と出かけてしまった。
(遊び人のイメージをつけるためには、アホみたいにお金を落とした方がいいだろうな。)
そう考えたアランは、目についた店の中で一番高級そうな店に入った。
「いらっしゃいませ……ってアラン殿下!?」
出迎えた従業員が目を剥く。
「ああ、そうだ。さっさと案内してくれ。そして、席には出来る限り多くの女の子をつけろ。」
「は、はい!!!」
半ばパニックになりながらも、従業員は席を用意してくれた。そして、程なくして、粒ぞろいの美女達が十人ほど、アランの席へ派遣された。
(さあ、ここからが僕の腕の見せ所だ!!僕は遊び人になる!!!)
アランは密かに気合いを入れた。
最初のコメントを投稿しよう!