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レオンの作戦3
「第一皇子、パリス伯爵。貴方達のおかげで、今回の騒動も無事に解決することができたわ。本当にありがとう。」
アランのクラブ遊び騒動を無事に沈静化出来た後、レオン、フェリシア皇后、パリス伯爵の三人は、再び会議を開いていた。
「とんでもないです。陛下。ただ……。このまま防戦するだけなのもどうかと思うので、そろそろ攻めの姿勢に入ってみたいのですが。パリス伯爵もそう思うでしょ?」
「はい、レオン殿下のおっしゃるとおりです。今はただ、下がりかけたアラン殿下の評判を、無理やり元に戻しているだけですから。」
レオンの提案に、パリス伯爵も激しく同意する。こじつけの記事ばかり書くのに、少し疲れてきたのだ。
「そうね。良いと思うけど、攻めの姿勢って具体的に何をするの? まさか、どこかの誰かみたいに、国民に迷惑をかけるようなことをしてはいけないし……。」
フェリシア皇后の問いかけに、レオンは自信たっぷりに回答する。
「陛下。ご安心下さい。すでに策は考えてあります。慎重に行動しさえすれば、帝国や国民に迷惑をかけるようなことはせずにすみます。ただ……。しばらくパリス伯爵が忙しくなるでしょうね。」
「殿下、私の事はお気になさらず。何でも致しますから。」
内心では、何をさせられるんだとヒヤヒヤしながらも、パリス伯爵は平静を装う。
「ありがとう。感謝するよ。では、その策について言いますね。」
レオンは一呼吸置いた。
「私のスキャンダルを捏造しましょう。」
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