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「でも、結果的には良かったかも。漆黒宮に入れられたって、かなりの汚点だし。もうこれは勝ったも同然では?」
兄レオンの策略など知る由もないアランは、漆黒宮の中で勝利を確信していた。
「それにしても、ここは本当に何もないな。一応、漆黒宮っていう名前の宮殿なのに。」
アランがぼやく。アランが放り込まれた部屋には、必要最低限の物しかなく、普段彼が住んでいる、豪華絢爛な皇后宮と比べれば、天と地の差があった。もちろん、漆黒宮の役割を考えれば、当たり前の事であるが。
「まあ、それはしょうがないとして……。これ、終わる気がしないんだけど。」
目の前には大量の酒瓶とラベルが……。片付けても片付けても、お目付役が追加分をどんどこ運んでくるので、気がつけば部屋中酒瓶だらけになってしまったのだ。
「もう勘弁してくれよ!!!」
アランは心の底から嘆くのであった。
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