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0.プロローグ
女は全身に真っ赤な衣服を身に着け、足元にも同色のハイヒールを履いている。
「ねぇ、あたし、キレイ『あれっ、私何言ってんだろう』」
女は2人の前で両手を腰に当て、仁王立ちのポーズを取っている。
「ねぇ、聞いてる!あたし、キレイ」
女は口元を覆っているマスクをゆっくりとマスクを外した。
「こんなあたしでも、キレイ」
マスクの下からは頬が裂けて、新たに口の一部として大きく広がった恐ろしい口が姿を現した。
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女は内ポケットに忍ばせていた刃鎌をゆっくり取り出すと高々と振り上げて2人に近づいていく。
「コツ・・・・・コツ・・・・・コッ」
2人の前まで進んだ女は男の方に向かって躊躇することなく刃鎌を振り下ろした。
「ギャーーーッ!!!」
男は悲痛な叫びを上げると同時に首筋からはおびただしい量の血が噴き出した。
「・・・『あれっ、私なんでこんなことをやっているんだろう』」
2人は女の両親である。数日前まで普通の女子高生として過ごしてきた女がどうして変貌を遂げてしまったのか・・・少しずつ語っていこう。
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