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オカンは空気を読む女だ。
期待通り大袈裟にひとしきりのたまわってくれた。ご協力感謝する。
やがてほとぼりが冷めた頃、オカンは青白い己の手のひらの中に収まった宛名の無い封筒を俺に見せて問いかけてきた。
『グハァァ、ハァハァ......っで一体コレ何?』
「開けてみろよ」
俺はあらかじめマブダチの北の陰陽師N.reisoに相談し、オカンの除霊に最適なアイテムを用意してあったのだ。封筒の中身は一通の手紙である。
オカンへ
毎日家事をしてくれてありがとう。オカンのジャガイモとニンニクを一緒に炒めるおかず、凄く美味しい。洗濯物もいつもありがとう。
掃除もありがとう。毎日家にいるからって何から何まで全部やるのが当たり前じゃないんだよな。ごめんな。
.....ってオカンの生きている内に本当は言うべきだったんだよ。
実はオカンが死んでから家事をやりだして本当にオカンは大変だったんだなと痛感してる。今ではあのオヤジも頑張ってゴミ出ししてるよ。男二人、大変だけれど頑張ろうと思う。本当にオカンは凄いと思うよ。オカンは俺の自慢の母親だ。
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