グハァァ!

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ぱあぁぁぁぁ  眩い黄金の光がオカンの身体から発せられ唇だけの顔が変化し始めた。生前の目力のある大きな栗色の瞳と低い鼻の追加。ただ顎の近くまで移動した大きさそのままの唇のせいでオカンの顔は結果的に残念な美魔女になってしまった。   これはきっとあの世からのデータ転送の不具合なのだろう。だが本人は全く気がついていないのでわざわざ告げる必要などはない。 俺にとって全くメリットがないやり直しのリスクなど当然回避すべきである。 『ゴミ袋もうすぐ無くなりそうやから買っとかなあかんよ〜。後、組長さんが町内会費をもうすぐ集金にくるから玄関掃除しとかなあかんよ〜』  最後にそう言い残してオカンは消えた。
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