忘れてた友達

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忘れてた友達

あー参ったよ。月の砂をサンドワームが食うとは思わなかったが、念入りに焼いてセメント漬けにして埋めたんだよな。 一仕事終えて、アカデミーでの業務に邁進していると、やっぱり携帯が鳴った。 「ヤッホー。ダーリン元気?」 電話の主はミラージュだった。 「今忙しいんだ。こないだ魔王と月で会って、そのあとマイルズと貿易協定更新したりで全然観光出来なかったよ」 「ダーリン好みの虫なんかいないじゃんか。基本コンクリートジャングルでしょ?サウス・フォートは」 「いや。磯場には結構面白い毒生物がな、ヒョウモンウニとかマダラダコとか面白いんだ。あいつ等。結構な毒を体内で精製するんだが、問題はどうやって毒を、ってのがあってな。多分食い物とは思うんだが、ってことは磯にいる生き物を食うってことで。なのにウニがいそうな場所に生えてる海藻くらいしかなくてな?無害な海藻とウニの食性を研究する必要が」 「うるさい研究馬鹿。子供に会わせてあげるから来なさいよ」 あー。行くしかないかー。 ジョナサンは携帯を切った。 このほど生まれたミラージュと俺の子だが、驚いたことに双子だった。 とりあえず、最悪の女神降臨があった。 8時間かかって生まれた男女の双子の赤ん坊は、ウィリアム(ウィル)とミラルカと名付けられた。 会いたいな。俺の双子に。 ジョナサンは、奥さんのフランチェスカの許可を得た。 ついこないだまで、セントラルと戦争間近にまで行っていた。 いってらっしゃい。帰り美味しいお魚買ってきて。お小遣いで足る奴ならいいから。 解った。1000ループ以内だな。 溜め息ながらに1000ループ渡された。 何か納得いかなかった。
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