忘れてた友達

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セントラルは相変わらず栄えていた。 王宮に転移して、すぐに知っている人間に出会った。 「あー。アリーシャ。だったよな?ミラージュはいつもの部屋にいるのか?」 近衛銃騎兵のアリーシャ・シェラザードにジョナサンは言った。 「貴様は!エロいーーいや王陛下!貴様に眠らされ、目が覚めてハッとなったのだ!未婚の娘にレイプの概念を植えつけた最低の英雄王!責任取れえええええええ!」 何か激おこしていた。 「別に何もしてなかったろうが。廊下に転がしといただけで。ああそうだ。パンツ見せたら結婚て、彼氏いただろう?どうなった?」 「そうだ!散々俺が守るとか、一緒にいたいと言っていたのにあの男!一度許したら実は妻と子がいるとか族長の娘が相手じゃ釣り合わないとか散々言い訳した挙げ句、ある日姿を消した!おのれええええええ!あいつの所為で!私は喪女の烙印を!族長の娘がハタチすぎてやり逃げされて結婚すらしてないなど民族の恥!男ってそういうものか?!一回エッチさせたらこれだ!私の何がいけないのおおおおおおおお?!」 「それ俺に言われても。ミラージュは」 「知るかあああああああ!私は奴を追う!生かしてなるものかああああああああああああああああああああ!」 どっか行っちゃった。 「大変だなあいつも色々」 ジョナサンは、愛人に会いに向かった。 女王の部屋の扉を開けると、 「う、うわああああああ!」 小さい何かが飛びかかってきた。 「あ、来たわねダーリン。ミラルカがパパに会いたがってたわよ。あんたの匂いを忘れなかったのね。ああ、ミラルカはもうハイハイ出来るようになったわよ?」 「飛びかかってきたぞミラルカは!あー、父ちゃんだぞう?」 「がう!がうがう!」 「ステラかお前は?!顔面ベシベシ叩きやがって!大人しくしてろよ!あー?ウィルー?父ちゃんだぞただいまー?」 ハイハイしていた中央国家セントラルの第一王嗣(おうし)、ウィリアム・イラ・ウィンシュタット・エルネストは、 「あう」 足に噛みついた。 「全く、ヤンチャで困るわね」 「まあとりあえずだな、乳歯が3本生えてるのは解った」 ジョナサンはそんな感想をもった。 「正直大変なのよね。国政と子育ての両立って。父親は役に立たないし」 すいませんでした。 それでね。ミラージュはこう言った。 「これから双子におっぱいあげんのよ。一時的に認めるから、私の名代として国政に参加しろ。大丈夫。頭だけあればいい」 「にゅぎゃああああああ!」 吠えたミラルカの指差す先に、飾りのハルバードがあった。 おい。 「あのワーカホリックのクロムウェルとやり合えと?俺一人で?」 ここのところ色々あって殆んど寝ていなかった。 「もう一人いるから勝手に連れてけば?うちに密入国出来る訳あるか。バレバレよ」 あー、あいつか。 ジョナサンは思い至った。 いや、実際完全に忘れてた。 いや、会いに行こうと思ったんだよ。 ホントのところ、エピソード丸々一個忘れて前は終わっちゃっただけで。 ちゃんと知ってるよ?だから、 「一緒に行くぞセリヌン。忘れててごめん」 「それでいい訳あるか馬鹿がああああああああ!だから何なんだセリヌンて!」 実際一人で帰ってきたんだちゃんと。 丸々一年国のVIPをセントラルに置いとけないしな。 「行くのね?タル君。私のブラ拾っておいて」 学園国家アカデミーの国防将軍、タルカス・シーボルトと、中央国家セントラルの要職、王宮付閨房補佐官シリル・ファルコーニ(性別非公表)は、実はデキていた。 「てめえが投げ捨てたんだろうが」 「じゃあいってらっしゃい。ああ、前に二人きりの時に言ったけど、逃がさないわよ?愛してるわタル君♡でも結婚は考えてないから。キス要る?」 タル君は、凄い嫌な顔をしていた。 「あれだな。前のミラージュの騒動の時にセリヌンされた先がシリルのベッドだったか。お前の好みのドストライクだったもんなシリルは。大丈夫だ俺は気にしない。アカデミーとセントラルの融和の象徴は、俺でも俺の双子でもなく、お前等だったんだな。仲はいいが隙を見せたらーーって二国間象徴しすぎだ」 飲みの席でこの話を魔王にした時、あいつは素面のくせに、ボソリと暗号名はキンタマだな。と言った。 何故だ?って聞いたら、応えはすぐあった。それは協力はすれど介入はせず。と言う意味だ。 思わず吹き出しちゃったぞ。発泡酒を。 それ以降、飲みの席じゃあ必ず言っていたから、アイス売りのセタンタ辺りですら知っていた。 「マジで殺すぞお前。まあ、お前だから言うぞ?お前だけに。正直してやられた感はあった。夜そうなって、朝起きたら生えてたんだぞ?悲鳴上げて起きたら消えてた」 「マジでマスカレードに関しちゃ天才だなシリルは。まあ今後も頼むぞタル君」 「よし死ねお前はああああああああ!」 親友に本気で首締められたのは初めてだった。
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