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コーヒーとチョコレートと、未来の話
「あなたの思い浮かべる未来とは一体どんなものですか」
この問いに対して答えた未来が遠ければ遠い程精神年齢が若く、そうでなければ……、という尺度になるらしい。そのような問いを投げかけられ、ここでこうしてらしい等と言っている私の答えは残念な程に若々しさからは縁遠いものだった。
「佐山さんもまぁ、えらくコメントしづらい答えを出したもので……」
「放っておいてよ……」
各々が好き勝手に昼食に出掛け、二人しか残っていないプロジェクトチームの一室。食後のコーヒーが出来上がるのを待っている間の他愛のない雑談。
「まさか『このプロジェクトが終わったら焼肉食べに行きたい』なんて……」
そんなことをのたまう彼、水野はやる気と行動力に溢れた青年ではあるが、どうも礼節に欠けるところがある。一方私は若者向けを狙ったプロジェクトの中では三十代後半と一番年を食っており代表も任されているが、他の誰に迷惑を掛けたわけでもないので何も言うまい。
「ちなみに、君の答えは何だったの?」
コーヒーを二杯分注ぎながら、何の気なしに彼の答えを聞いてみる。そう言えば普段は彼が注いでくれるせいかミルクが要るのか、砂糖がいくつ要るのか知らない。とりあえず一つずつ持っていってみようか。
「宇宙語の分かる機械が開発されていて宇宙人と話すことが出来る」
「それはまた、夢のある話で」
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